放課後。
「きょーうはーみーこのお家でごっはっん!」
「…その意味分かんない歌ずっと歌うのやめて」
近所迷惑だし何よりダサい。
どうしても私の家で夕飯を食べたいと駄々をこねた七笑と家に向かう。
今日は旭が来るからやめてって言ったのに、旭が来ると知ったら余計に行きたいと言われた。
旭に変なこととか聞かないといいけど。
七笑は亜沙美と乃々葉も誘っていたけど、亜沙美はバイトがあり乃々葉は妹と帰るらしく学校で別れた。
午後の授業は亜沙美のことでいっぱいで何も頭に入らなかった。
亜沙美に何があったのか聞きたかったけど聞けなかった。
新参者の私が聞ける立場じゃなかったし、何より聞ける雰囲気じゃなかった。
「…えいっ!」
「い、た……っ!?」
考え事をしていたから七笑のデコピン攻撃をかわせなかった。
ジンジンと痛む眉間を押さえて七笑を見ると、七笑は面白そうに爆笑していた。
何が面白いのよ。こっちは痛いってのに。


