「えぇー!買ってないの!?
もう買ってるかと思ったのに~」
前言撤回。
心音はあーしのこと何にも察してなかった。
それと同時に頬を膨らませているのを見ると潰したくなる心音の気持ちが分かった気がした。
さっきやられた仕返しだと心音の頬を潰そうと手を伸ばしたら、その手は心音に掴まれた。
かと思えばその手は勢いよく引っ張られて、その反動で立ち上がった。
「そうと決まれば行くよ!」
「…は?どこに?」
「もう!なに寝ぼけたこといってるの!
お母さんのプレゼント買いに決まってるでしょ!」
「え、ちょ、いかないから……って心音!?」
あーしの意思とは関係なしにどんどん引っ張られて気付けば家の外に出ていた。
心音の背中を見てはため息をついて、止められそうにないから諦めて引っ張られることにした。


