「のーのちゃん!」


「ぶっ!?ちょっと!人が飲んでるときにほっぺつぶすのやめてって言ってるよね!?」


「だって乃々ちゃんブスッとしてほっぺ膨らませてるから!」


「それは飲み物飲んでるからでしょ……っ!?」



あーしが不機嫌でいるといつもこうやって頬を潰してくるのが心音。



心音は父親とあの女にできた子。
だからあーしとは異母姉妹。



あいつはあーしには冷たいけど、心音は違った。



あーしが作った壁なんて鉄球で破壊するかのように壊してくる。



そんな心音が大好きで、心音がいるからこんな家庭でもやっていけることができた。



心音はあーしと5つも違うのにしっかりしてて、あーしの思ってることを察してくれる。



ほんと5歳も年下とは思えない。



「ね!乃々ちゃんは決めたの!?」


「……何が?」


「何がってプレゼントだよ!お母さんの!」


「は?そんなのあーしが買うと思ってんの?」



あんな女を母親だなんて思わないあーしがあいつの誕生日にプレゼントなんて買うわけないでしょ。



これで買ってあるよなんて言ったらあんた驚くよ絶対。