希穂ちゃんを見失わないようにおいかけたけど、この人混みの中そう簡単にはいかなかった。



目で追いかけてたけどすぐに希穂ちゃんの姿は人混みに紛れてしまった。



しかも今は浴衣に下駄をはいてて追いかけづらい。



「……希穂ちゃん……っ!?」



辺りを見回しながら走っていたら下駄の鼻緒が切れて躓く。



地面と対面する前に誰かに抱き留められる。



「危ない…っ!大丈夫?」


「……旭…っ」



転びそうになった私を支えてくれたのは旭だった。



もしかして私を追いかけてきてくれたの?



旭は少し着崩れた浴衣を整えてくれた。



「こんな範囲じゃ一人で探しきれない。
僕も探すから、10分後に近くに神社があるだろ?そこに集まろう」


「…わ、分かった!
私あっちの方に行く…ね……っ!」