「ええっと、確かこの辺を曲がるはずなん

やけどな……あっ、あれか」

私たちの視線の先には、山道へと入ってい

く細い道

かろうじてアスファルト舗装はされている

ものの、奥に行くにしたがって暗あい山道

が待ち構えているようだ

しばらく山道の入り口で立ちすくむ私たち

「……ミハルちゃん、ここ、登っていくの?」

彼女を見上げる私

「……うん、住所によると、この先やな」

鬼も蛇も怖れないミハルちゃんも、さすが

に少し怖じ気づいた様子

「…ええい、行くで。

りおちゃん、ついてこい!」

突進していく彼女

「ああっ、待って、ミハルちゃん!」

こんなとこで置いていかれたら…