「それでね、ミハルちゃん

実は、ね…」

「りおちゃん、どないした?

妙法寺君になんかされたんか?」

歯切れの悪い私に、彼女は心配して、勝手

な想像をふくらませつつある

危険だ

彼女は先走って、妙法寺君を捕まえて

『あの子になにしたんよ!』

と詰問しかねない

「ううん、何もされてないよ」

私は慌てて否定する

「そうか、それやったらええけど

でも案外、妙法寺君はムッツリスケベかも

しれへんからなあ」

「違うもん!」

私はついつい、大声を出す

「りおちゃん、そんなに怒らんでも

……顔、真っ赤っ赤やで?」

やっぱり、話さないと。勇気を出して。