サムライ君とメガネちゃん

階段を登る

境内までの、長い長い階段を

苔がむした、崩れかけの階段を

ふうふう、はあはあ

ここでも登山か。

登るにつれ、尺八の音色は鮮明に聞こえる

ようになってくる

ふうふう、はあはあ

もうダメ。ギブ寸前

運動不足の体に、汗が滝のように流れる

…階段を上り詰めた

そこは…

つぶれかけた、古い神社の境内

意外と広いスペースだ

夕闇の迫る港町が、パノラマヴューとなっ

て眼の中に飛び込んでくる

階段を登り続け、汗だくの体に、吹き上げ

てくる風が心地いい

ああ、きれいだな

さぞかし、夜景がきれいなんだろうな…