サムライ君とメガネちゃん

今、私達が暮らしている、平和で安寧な

日々とは比べようもない

それぞれの信じる道のために

信じる人のために

ひたむきに…

命を散らしていった、サムライたち…

…………。

窓の外を見る

相変わらず、どしゃ降り

空を見る

鉛色の空

あの時代…幕末も雨が降ったろう

同じような、鉛色の空から。そして…

若くして死んでいったサムライたちの

屍の上にも、雨が…

「りおかー!ごはんよー!」

「ごおおはああんん、よおおお!」

幕末の雨と共に物思いにふけっていた私の

心の風景に、お母さんの大声が響き渡る

…現実。私はこの時代に生きている

ごはん食べよ。