サムライ君とメガネちゃん

足元に散らばったのは…

能面…いや女性の買い物かごから落下した、

お肉やお魚などの食品類

ミハルちゃんは焦りながらそれらを拾い上

げる

成り行き上、私も手伝う

女性は、というと…

焦って拾い上げる私たちを、怒るでもな

く、淡々と見つめている

焦って汗だくのミハルちゃん

「お姉さん、ごめんな、ごめんな」

「怪我してない?」

「お肉、大丈夫かな?」

「お魚、汚れてないかな?」

…女性は汗だくのミハルちゃんを見て

「…気をつけなさい…」

地獄の底から響き渡るような、低ううい声

を発しつつ、何事もなかったかのように

立ち去って行った

「すみませんでした!」

と最敬礼する私たちを残して…