サムライ君とメガネちゃん

…彼はただまっすぐを見つめ、やがて私たち

の隠れている樹の横を通り過ぎた

遠ざかっていく彼

幸い、周囲には我が校の生徒はいない

「…よっしゃ、行くで」

ミハル隊長が、戦場の指揮官のように指示

を出し、私たちは彼の後をこそこそと歩き

始める

正門を出てから、すぐ下り坂

彼の後ろ姿をうかがいながら、私たちは時

折、街路樹の陰や民家の塀に隠れながら、

彼に気づかれないようにつけていく

尾行…

明らかに不審者だ

ストーカーだ

こんなことして、いいのかなあ