サムライ君とメガネちゃん

「あのう、レイコ様?」

いつになく神妙な顔付きで、私たちのお話

を聞いていたミハルちゃんが、おずおずと

切り出す

「レイコさん、でいい。

何か?ノッポちゃん?」

「『文明教育プログラム』、私にインプッ

トして、ほしいん、ですけどお…」

「はああ?」

「いえ、あのう、期末試験が迫っているに

も関わらず、私全然、お勉強できてないん

ですね。剣道の稽古が忙しくて…」

「だから?」

「…そのう、試験対策として、数学と物理だ

けでも、『プログラム』をインプットして

いただけたら、ありがたいんです、けど…」

沈黙。それも長く、サイレントな

耐えきれず、私がたしなめる

「ミハルちゃん、あかんよ、そんなズルし

たら、ね

レイコさんも、困っとうよ?」