サムライ君とメガネちゃん

すかさず、ミハルちゃんはすりぬけざまに

竹刀で相手の胴を打ち、走り抜ける

「ドオオオリャアアー!」という雄叫びと共

に、竹刀が胴に命中する「パアアアン!」と

いう乾いた音が交錯する

3人の審判が、一斉に白旗をあげる

ミハルちゃんの勝ちだ。胴一本。

「井松どの…お見事!天晴れなり!」

テツ君が感嘆の声をあげる

…すごいな、ミハルちゃん…

私は感動して、感心しすぎて、声もでない

何かに、打ち込めるってすごいな

私には、何があるんだろう

………

アリーナを出て、テツ君と駅まで向かう

「井松どの、物凄い気迫であったな

拙者、感服つかまつった」

ミハルちゃんの一本勝ちを見て、テツ君は

興奮気味だ

地下鉄に乗り、座席に並んで座る