サムライ君とメガネちゃん

「あの子…テツはね…」

ついに女性が切り出した

「過去から来たの」

……数秒かの沈黙、のあと

「え?」「過去?」

上ずった声で、同時に尋ねる私たち

「そう、彼は150年以上前の日本、つまり

江戸時代末期の長州藩(現在の山口県)から、

タイムスリップしてきたの」

「タイム?」「スリップ?」

話が突飛過ぎて、重大すぎて、にわかには

信じられない

質問しなければ、何か聞かなければ…

……「きゅうう、きゅるるる、きゅうう」

重苦しい雰囲気の、応接室の中に響き渡

る、奇怪な音…何?

…ミハルちゃんの、お腹の音だ

女性がミハルちゃんを睨み付ける

「あ、ご、ごめんなさい!

アタシ、緊張が続くと、お腹が減って…」