サムライ君とメガネちゃん

女性は、彼の両手から刀をもぎ取る

「テツ!

安心しなさい、この子達は抹殺しないか

ら、ねっ!」

彼は安心したのか、苦しそうな表情にうっ

すらと笑みを浮かべる

私の両目から、涙が訳もなくあふれだす

彼は…自分のことより、私たちの心配ばかり

してくれている

「妙法寺君、しっかり!妙法寺君!」

私は泣きながら、彼に呼びかける

お願い、死なないで…!

女性は苦しそうな表情の彼の脈を測り

「…危険だわ!

ちょっと、そこのでっかいの!

手を貸しなさい!」

と、ミハルちゃんに命令する

「え、は、はいっ」

床にペタんとしりもちをついていたミハル

ちゃんは、弾かれたように起き上がり、女

性と一緒に妙法寺君を両脇から抱える