サムライ君とメガネちゃん

私はたまらず、叫ぶ

半ばもうろうとした表情で、刀を腹に突き

立てようとしていた彼は一瞬、ビクッと震

え…気を失うように、横向きに倒れた

「妙法寺君!」

私はとっさに駆け寄る

「ダメ、ダメ!死んじゃ、ダメ!」

「おやま、どの…」

弱々しく、うわ言のようにつぶやく彼

その、左手首には…

見覚えのある、ミサンガが…

「姉者、頼む、この者達を…

助けて、やって…くれ…」

女性は…すでに武器をポケットに戻している

私と、横倒しになったままの彼のもとに駆

け寄り、大きくため息をつく

そして、

「ああー、もう!面倒くさい!

わかったから!

わかったから、刀を渡しなさい!」