サムライ君とメガネちゃん

…ミハルちゃんは、震える手で通学カバンか

ら、A4サイズの封筒を取りだし、女性に渡



「あ、あの、妙法寺君のよよ、容体は、ど

ど、どう、ですか」

私も、勇気をふりしぼって、女性に尋ねる

女性は、質問にも答えず、無表情でミハル

ちゃんの差し出した封筒を受け取る

私たちはきつく寄り添ったまま、女性に愛

想笑いを浮かべ

「それじゃ、失礼しまあす…」

と女性に告げ、ドアの方に向かった

ぎこちない足取りで、研究室(?)を出て…

エントランスホールを抜け、屋敷を出よう

とした

その時。

背後から

「待ちなさい」

地獄の底から響き渡るような、しかも氷の

ように冷たい声