しばらくすると女の子たちが立ち始めた。

何してんだ?


そう思った瞬間、彼女達は席を譲ってあげていたんだ。さも同然かのように。

「和斗、あの子ら優しいな。」


「うん。」


人として凄くいい人なんだと思った。
笑顔でおばあちゃんに話しかけているし、
自然にこういうことが出来るってすごいと思う。

なぜかその女の子たちに釘付けになってしまった。


少し話してみたいと思ってしまった自分もいる。

誰かもわからないし、女子を嫌がっていた自分がなぜこんなことを思うのか。

俺にはよくわからなかった。