君にしかないもの


「俺らの他に1年生に双子いるんだな。」


「うん。」


和斗が女の子をみているなんて初めてのことで驚いている。

必要以上に女子と関わらないから、まさか和斗から言ってくるなんて思いもしなかった。
媚び売ってくる女は大の苦手らしい。

まぁ俺もだ。
結局みんな、俺でも和斗でもどっちでもいいと言う。顔に変わりはないから。

俺自身を見て欲しい。
ずっとそう思って来たがなかなか上手くいかないものだ。


しばらく、名前も知らない1年生の双子をじっとみつめていた。
この時はみているだけだった。

後々、大切な存在になるなんて思ってもいない。