君にしかないもの


男の子を抱き上げて送ろうとした時も、
莉亜ちゃんは自分からついてきてくれると言った。

「大丈夫です。」

と自然な笑顔で言った彼女の顔はなぜか俺の頭から離れない。

この子といると落ち着く自分がいた。
話したのは今日が初めてなのに、
やっぱり惹かれている自分がどこかにいる。


「ありがとう。駅まで一緒に行かない?
いっつも同じ電車だよね?」


男の子を送ったあと、自然に出た言葉がこれだった。まだ話したい。一緒にいたいと思った。