君にしかないもの


和也side


学級委員の仕事があって帰りが遅くなった。
外は雨が降っている。

いつも通り帰り道を歩いていると男の子が走ってきた。

その男の子は俺の目の前で転んで泣き出したんだ。


膝は転んで擦りむいている。
血が出ているし、どうしようか。


「俺、絆創膏持ってないんだよな…」


そう思っていた時、後ろから絆創膏を差し出してくれた女の子がいた。


「これ、使ってください。」


美女で有名な双子の1年生の1人だった。

電車で最初見かけた時もこうだった。
老夫婦に席を譲っていた。
周りのことをすごく良く見ている。

でも、すぐに行動にうつせるし、自然にできるところが男の俺から見てもカッコイイと思う。


すっごい優しい子だなって。