君にしかないもの


それから先輩とたくさん話した。
双子だから共感する所も多かったし、
先輩が学級委員で今日帰りが遅かったことも知った。

駅に着いて同じ電車に乗った。

丁度帰宅ラッシュで人が多い。
それに、さっきから男の人が当たってきているきがする。

「ちょっとごめんね。」


先輩は私をかばうように電車の壁に手をついて私に空間を作ってくれた。
これで周りの人にぶつかることも無い。
壁ドンみたいなカッコで私の心臓が早くなる。


「ありがとう和也先輩///優しいですね。」

近くには先輩の顔がある。かっこいいな。


「______///これぐらいなんてことないよ。」

私の方が先に一駅おりる。
もうすぐ降りなければいけない。

今は寂しいなって思う。

「今日はありがとう。
莉亜ちゃんのおかげで助かったよ。」

「こちらこそ、
和也先輩と話せて楽しかったです」


「また明日ね!」

「はい!」


また明日と言ってもらえるだけで嬉しかった。

雨が降っているのに、いつの間にか私の心は晴れていた。