君にしかないもの


先輩は少しびっくりした顔をしたけど、
すぐに優しい顔で微笑んでくれた。


「ありがとう。」


男の子の膝に絆創膏を貼ると、先輩は抱き上げ男の子に家の方向を聞いていた。

雨が降っているのに男の子を抱えながら傘をさすのはたいへんだ。


「先輩、私が傘持ちます。」

「でも、帰る方向が…「大丈夫です。」」

なんか自然に笑顔になれた。
優しい先輩の姿に心があったかくなった。


「じゃあお願いするよ。」


先輩がニコッと微笑んだ。

ドキッ…///

心臓がはねる音がした。

初めて喋ったのにこの感覚は何なんだろう。