嬉しそうな友梨を見て、静かに呟く優輝。
「喜んでもらえたら嬉しいな……?」
「すっごく嬉しいですっ!!」
その後、優輝は少し苦笑いをして見せた。
「手を引いた時、諦めるの早くなかった?」
「えっ?ごめんなさい……」
手を引いた時、友梨から「くださいよ~っ!!」のようなイチャイチャした雰囲気になったり、拗ねるような仕草を見せると思って、遊ぼうとしたのに的が外れたからだ。
友梨はそんな優輝の考えなど知るよしもなく、全然違うことを考えてました。とは言えずに、また純の方へと視線が向いてしまう。
諦めたかぁ…………?
純くん……
どうしてホストになったんだろう…………
他になりたい職業とかなかったのかな?
もっと普通の仕事。
諦めちゃったのかな……?
女子大生の友梨からしてみれば、夜の水商売はみんな異色なイメージである。
そんな事を考えていた時、純が目の前を通りすぎた。
今日は気付いてくれるかな?
また昔みたいに友達になれないかな?
なんて頭を過ったのもつかの間、やはり横目でチラッと見た純の目は睨んでいるように感じた。
