中3の夏休み。


テニス部に所属していた友梨の学校は、この夏の大会が終われば高校受験に専念するため引退することになる。


勝ち残れば、市内大会、地区大会、全国大会と繋がる為、もう少し部活は続く。


負ければ即引退。


そんな大切な試合に、サッカー部だった純も友梨の応援に駆けつけていた。


「この大会でベスト4に入ったら、友梨が欲しがっていた物を買ってやるから頑張れよ?」


「欲しがってた物ってなんだろ……?」


「それはお楽しみやなっ」


この大会でベスト4に入れば市内大会に進むことができる。


それを純はニンジン作戦で、応援していたのだ。


田舎で学年に1クラスずつしかない学校のテニス部からしてみれば、区内大会のベスト4のハードルは高い。


それでも友梨はベスト8まで勝ち上がってきた。