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「いぎゃああああ‼‼‼‼」

 叫び声が響き渡る。
 絶え間なく続く、老若男女の声。
 夜中の真っ暗闇の雨中で、一つの光が浮かび上がっている。

「だ、誰か......たすけっ、ヒッ‼..アガッ‼」

 この暗闇を照らすのは、一人の少年の持つ眩い首飾り。
 彼は、この悲劇の始まりであり、被害者。
 
 彼は、美しい顔にふっと笑みを浮かべていた。


「ねえ、どうですか?綺麗でしょう?この『紅い花』貴方には到底およびませんが......」


 彼の目に映るのは

    永遠に消えはしない、愛しき者の姿だけ。




 彼のもった『紅い花』を流し落とすかのように


          温かな雫が、彼の顔を伝っていった。