桜時雨の降る頃



そして、高2の夏。

わたしは、陽斗と朔斗を花火大会に誘った。

毎年恒例のイベント。
いつも、わたし達3人以外にもクラスメイトや部活仲間が一緒にいたりして大所帯で行っていた。

でも今年は、3人で行こう、と言った。

2人とも目をパチクリさせていたけれど、陽斗からは「いいよ」、朔斗からは「気が向いたらな」と返事をもらった。


3人で過ごすギリギリの期限かもしれない、と思った。

来年は受験生。そもそも、こんなイベント本来なら彼氏彼女と行くものだ。

朔斗は今はフリーだと聞いていた。

3人ともそんな相手がいない、今しかチャンスはないような気がして




先輩に言われたように、変化を恐れずに前に進まなきゃ。



ーーそんな思いだった。


迷路に迷い込んでしまったようなわたし達の関係。


わたし達自身のためにもケリをつけなきゃいけない。