そんな、まるで別れを暗示してるかのような文章で手紙は締めくくられていた。
…………わたしの本当の気持ちって?
訳が分からなくて、眉間に皺が浮かぶ。
それにしても、懐かしい字だ。
じわりと瞳に熱が溜まり、鼻の奥もツンとしてくる。
思わずわたしは、そっと手紙の字を撫でた。
パタ、と堪え切れなくなった涙の粒が手紙の上に落ちて、スーッと滑り落ちていく。
18歳の陽斗。
20歳のわたし。
もう永遠に歳を取らない陽斗。
歳を重ねていくばかりのわたし。
この手紙を書いた時、まさか自分がこの世にいないなんて思ってもいなかっただろう。
未来を信じて書いただろう陽斗の姿が目に浮かんで、胸が痛くなった。
「陽斗、なんだって?」
横から朔斗の声が飛んできて、哀しみの渦に囚われかけたわたしの意識がハッと現実に戻った。
「誕生日おめでとう、ってことと……
あと、鍵についてとか色々」
ずび、と鼻をすすりながら答えると
困り顔をしながらわたしにティッシュを渡してくれる。
鼻を拭けってことらしい。
