すると、気分を変えるかのように明るい声で朔斗は言った。


「…じゃあ、これがお前の未来への扉の鍵だと信じて。

……ほれ」

最初に読むのはお前だろ、と手紙をわたしに手渡してくる。


ドキドキと鳴り止まない鼓動を感じながら

ゴクリと固唾を呑んでその手紙を開いた。







『20歳になった雫へ


誕生日おめでとう。遂に大人の仲間入りだな。

今も隣に俺はいるかな。今、俺は18です。
未来便てやつでサプライズです。驚いてくれた?
今時、手紙ってのもレトロだよな。


一緒に入れた鍵は、俺の部屋にある宝箱の鍵なんだ。

俺がいない時に行って開けてみて。家族は雫ならいつでも歓迎だから心配ない。


それを見て、驚くかもしれない。
怒るかもしれない。


俺は雫の本当の気持ちが知りたかった。
でも直接確かめる勇気がなくて
こんな手段になった。
女々しくてごめん。

雫の答えは、ちゃんと受け止めるから。

返事、待ってる。


どんな未来が待ち受けていても

俺が雫を好きなのは変わらないよ。

たとえ俺たちが、ただの幼なじみに戻ったとしても 』