桜時雨の降る頃

にべもなく断られてしまい、若干ショックを受ける。

一生って酷くね?


「何だよそれ。冷てぇな、幼なじみなのに」

「朔斗には言われたくないね。あんた、こないだまたこっぴどく女の子振ったでしょ。泣いてたよ」

うっ、知ってたのか。

しかし俺は反論する。

「猫撫で声で迫ってくるタイプ、俺嫌いなんだよ。魂胆ミエミエで気色悪い」


我ながら酷い言い様だとは思うけどしょうがない。本当のことだ。



「じゃあ、朔斗が付き合ったタイプはわりと好みだったんだ?」

「ん? ……うん、まぁ」


最初に付き合った子が雫に似てたなんて言いたくない。つーか、言えない。

だから返事にキレがなくなったのだが、雫は何か察したようでそれ以上は突っ込んでこなかった。


「ふーん。 でもさ、そこまで好きじゃなかったんなら、結局朔斗もレンアイしてたわけじゃないじゃん。まだ恋も知らないのはそっちじゃないの?」