ーー出た、この質問。
これは俺たちも周りの女子によく訊かれているものだ。
雫にとっては迷惑でしかないだろうこの状況にチクチクと胸が痛む。
「調子になんて乗ってません。付き合ってもいません。一緒の登下校もやめます。これでいいですか?」
さすがに全く身に覚えのない嫌疑をかけられ苛々が募ったのか、雫はさっきよりも強めの口調で反論していた。
「へぇ、身の程わかってるじゃん。アンタなんかあの2人と並んでたら不釣合いだもんねぇ。
じゃあ、もうあの子達に近づかないでね?
それとボール磨きよろしく。なーんか態度悪かったし!モチロン1人でね」
キャハハハ、と高らかに笑いながら、こちらの方へ進んでくる気配。
すっげぇ。何様なんだ。
俺たちはアンタなんかに飼われた覚えはない。
不釣合いって何なんだ。
雫を貶めるようなことばっか言いやがって、
絶対許さん!
眉を吊り上げて、俺は先輩たちがこちらに来るのを手ぐすね引いて待った。
