桜時雨の降る頃

俺たちは中学でバスケ部に入った。

悪目立ちしていたようで、3年のコワモテな先輩から目をつけられたり

派手な女子の先輩にどうも好意を寄せられてるとか

俺たちの中学生活は波乱含みに始まっていた。



そんな中、仲良くしてくれていた2年の先輩から情報が。

雫がどうやら女子に目をつけられてるって。

理由は、俺たちと仲がいいから。


なんだそりゃって思った。

雫には何の落ち度もないのに、そんなことに巻き込まれるなんて。


その話を知ってから、部活中は特に雫の様子に気をつけるようにしていた。妙な意地悪とかされてたら助けてやれるように。



そして、ある日。

いつも部活が終わった後は一緒に帰るのに、「先に帰ってて」と言われた。

理由を聞けば、先輩に頼まれたことやっとくの忘れてた、と言う。


そっか、と俺たちはすんなり納得して先に帰ろうとした……が。



俺の嗅覚が働いて、来た道をUターンする。