桜時雨の降る頃

「雫かー。あいつももう少し女らしかったらな」

俺たちと一緒に行動してきたせいか、どうも女らしさに欠けてるような気がする。

女らしかったらどうなんだ、ということは置いといて。


「でもあんまり女らしかったら、俺たちとは一緒に遊んでなかったんじゃない?」

それは一理ある。

お人形遊びも、最初はままごとだったはずが
俺たちと遊んでるといつのまにか戦いごっこになっていること数えきれず。
文句も言わず一緒にやっていた。


「それに、意外と女の子らしいとこあるよ」


「え? どんなとこ?」


「教えない」


にっこり笑って、それきり話は強制終了。


俺が分からんのに、陽斗だけ分かってるのがどうも気にいらない。


気になって気になって、

じゃあ自分で見つけてやるって躍起になって

気付いたらいっつも雫を目で追うようになってしまった。