そういうと、杏奈は俯いてただ涙を流していた。 俺が小さい頃、俺の親は仲が良かった。 俺が年長に上がるまでは。 俺が年長になったあの夏。 母さんが乗っていた車と、もう一つの車がぶつかって母さんは死んだ。 もう一つの車に乗っていたのが杏奈の父親だった。 悪びれる様子もなく、ただ逮捕されただけ。 「ひき逃げ」という汚名を着せられて。