思いのほか早く待ち合わせ場所についた俺。




時計が10時を指した頃、杏奈が走りながらやってきた。





もう、息が止まるかと思った。





閉じ込めたい。そう思った。





ピンク中心の服。





いつもはしていないメイク。




少し高めの靴。




緩く巻いた髪の毛。





全てが可愛い。





「可愛い。




それ、俺のためにしたって思っていいよな?」





そういう俺に、ぎこちなく微笑みながら「うん、吾郎も…かっこいいよ…。」そういう君。




あぁ、君は悪魔だ。





あぁ、愛しい。