それが聞こえていないように
笹上君は言葉を続ける。


「だいたい、消えても誰も気づかない存在なんて無いんだよ！
お前のことだって、絶対誰かが見てる！お前のことを好きだっていってくれる奴だっているんだよ！
既にお前には、気づいていないかもしれないけど大事に思ってくれる存在いるんだよ！」



私は、耳を疑う。


「私のことを大事に思ってくれる存在？私のことを好きだと思ってくれる存在？」



私の独り言のような小さな声も笹上君には、聞こえてたみたいで、



「お前、長谷川がどんだけお前のことを大事に思ってくれてるか知ってんのか？ことある事に俺に
『夢華はすごい。夢華はお人好し過ぎる。夢華は自分のいい所に気づけていない。』って。
長谷川は、お前のことを好きだっていってくれる存在の1人なんだよ。
お前は気づいてた？」


笹上君の問いかけに

私は首をよこにふる。


「やっぱりな。お前は友達がいない
と思ってるらしいけどこんなにお前のことを思ってくれる親友がいるんだから、もっと、自分に自信を持てよ。
脇役なんて思ってるかもしんねーけど
お前の人生はお前が主役だろ？」

と、笹上君は笑顔で言ってくれた。

その笑顔に私は涙をこらえることが出来なかった。