放課後、部活に行く気にもなれなくて、
担任が来るまで、段々春の陽気が差し掛かってきた、でもまだ肌寒い3月の風を窓からいっぱい受けながら、
空を見ていた。


そんな時、



「吉川じゃん。何してんの。」




いつも、くらすの中心にいる、野球のユニフォームを着た笹上 新汰 sasaue arata
が、声をかけてきた。




私のこと、知ってたんだ。

と思いながら、


「別に。何も」


と無愛想に返す。


目線は笹上から空へと移動している。




「別にって。お前寒くねーのかよ。」


はぁ。こんな暗い女に構わずにさっさと部活に行きなさいよ。


と言いたいところだが、

自分も部活に行っていないので、上から目線なことは言えない。



ただここから離れてほしいという気持ちを込めて





「寒くない。
早く部活行けば。」





と言ってやった。





もう、流石に行くでしょと思った瞬間、

思わぬ言葉がとんできた。