「え、私ですよ」

私は自分を指差した

これはボケ?

確かに先生には何人もの教え子がいる

覚えてないとしても不思議ではない

けど私たちは違う

大事な約束を交わしたのだから…

「ごめん 覚えてないんだ えっと 今年度からだよね 色々大変だと思うけど頑張ってね まぁ僕も転勤して今年度からなんだけどね」

先生は笑った

私は呆然としていた

目の前にいるのは誰?

顔も喋り方も笑い方もあの頃のままなのに

まるで初対面の人と話しているような感覚だった