大声でその女子を罵倒し始めた、男子の先輩。


「いやっっ…!!」


それと同時にその子の腕を強く握る姿を見て、あたしはキレた。


「…七海。ちょっと待っててほしいんだが」


「ちょっ、葵!?ダメだよ、あなたじゃ…」


「平気だよ。あんな奴にやられるほど、弱くない」


「いや、そうじゃなくて…」



七海の制止を最後まで聞かずに、あたしはその二人に近づく。


もちろん、その男子は近づくあたしにすぐに気づく。


「…何見てんだよテメェ。見世物じゃねぇぞ!?」


「…………。」



「何黙ってんだよテメェッ!!」


完全に頭に血が上っている男は、すぐにあたしに殴りかかってきた。


パシッ…


「!?」




男の拳を両手で防いで…




「これで、正当防衛が成立…だよな?」