「うるさい黙れ、私に近づくな」


「うわー、ヒドイなー。俺は一条のこと好きなのに」


「あたしはお前が嫌いだ」




そう。


あたしはこの男が嫌いだ。





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「本当に仲良いよねぇ〜。葵と王子」


「仲良くない」


朝から会いたくもない奴に会ってしまった後、あたしは急いで教室へと向かった。



ポッキーをくわえながら、おちょくるように笑うのは、あたしの親友である佐竹 七海(さたけ ななみ)。


中学の頃からの付き合いで、1番仲がいい。



「大体、あたしはアイツが大嫌いなんだ。というか、男自体嫌いだ」



「もぉー…いくらカッコよくて男っぽいからって、葵は女の子でしょ?ちゃんと恋愛しないと枯れちゃうわよ??」


「女の子…ねぇ…」


口を尖らせる七海に対して、苦笑いしかできない。