高く、少し震えた声のしたほうを振り向くと、男から言い寄られていた女子が。



「あ、ありがとうございましたっ!!本当に、助かりました…」


「どーいたしまして。あっ、でも蹴り飛ばしたことは内緒で…」


「無理に決まってんでしょ」


やっぱり冷たい七海の言葉に、再び冷汗をかく。


まぁ、これだけ派手にやったら仕方ないか…。


ドンピシャ下校時刻だし。


七海に持っていてもらったバッグを受け取り、帰ろうと校門へ向かう。



「あの!!お礼を…」



「あぁ、いいって。大したことじゃないし」