「・・・じゃあ、お風呂だけ借りて帰ります」
べたべたした髪の毛を洗いたかった。
「ん、ちょうど沸いたし入っておいで。」
彼はそういうとどかっとソファーに座りテレビをつけた。
深夜にやっているお笑い番組に目線を向けながらも彼は言った
「タオルと着替えは洗面所に置いておいた。
シャンプーとかは自由に使って。
歯ブラシも出しておいたから使いたかったら使えよ。
・・・ゆっくり入っておいで。」
「あ、ありがとうございます」
手際がいい人だ。
そんなことを思いながら立ち上がると
「・・・なぁ」
彼に呼び止められ振り向く。
「・・・何でもない。
早く入って来いよ」
彼はそういうとまたテレビに視線を戻した。
・・・変な人・・・。
本当に何考えてるかわからない。
彼に疑問を抱きながらもわたしは洗面所に向かった。
