「俺んち、ここ。」
10分くらい歩くとさっきの賑わっていた街並みとは違うビルだらけの場所にいた。
彼は慣れた手つきでカードキーをあてエントランスに入っていく。
ホテルのようなエントランス。
全てカードキーで管理されているそのマンションは
〝子供〟のわたしが入ってはいけない空間のようで彼との壁を感じた。
「早く来いよ。」
そしてエレベーターに乗り込むと7階を押した。
「す、凄いね。マンション」
「そーか?この辺だと普通だろ」
驚きすぎ。と軽く笑うとエレベーターから降り長い廊下を歩いた。
「お、お邪魔します・・・」
部屋に入ると本当に男の人の部屋?というくらい片付いていた。
「そこのスリッパ履いて。
奥に洗面所あるから手洗い嗽もしてきて」
と彼は家に着くなりスーツを脱ぎ始めた。
「ちょ、ちょっと」
恥ずかしくなり少し俯く。
「着替えくらいさせろよ。
なに、奈々美ちゃん。恥ずかしーの?」
「はぁー?恥ずかしくなんかないし。」
ニヤニヤした顔でこちらを見る彼に腹立ち売り言葉に買い言葉。
男性経験が無いわけじゃないし、それなりに事もしてきている。
