車から降りると、手はつないだまま、お店へ入った。

「予約した河合ですけど」

入口で名前を告げると、奥にある個室のような席に案内された。

予約までしてくれたの?

ちょっとびっくりしながらも、店内を見渡すと空席は少ししかなく、それなりに混みあっていた。

「せっかくなのに、待たされたらおなか持たないしね」

俺おなかすいちゃってさ!と自分のおなかをさすりながら、私の椅子を引いて座らせてくれる。

すべての動作が自然で、かっこいい。

ありがとうございます、と俯き気味にしないけない自分が情けない。

店員さんにメニューを渡され、何を選んだらいいのか迷っていると、河合さんがメニュー表を私から取り上げてしまった。