お兄ちゃんの友達[完]

なんで今、ここで!?

お店の中は回転が速いといっても席は空いていないくらいの混雑で、隣の席との間も決して広くはない。

絶対に隣の人に聞かれているのに!

「昨日初めてあったけど、会うずっと前から好きだった」

恥ずかしさの余り、真っ赤になってうつむいてしまった私に、変わらない河合さんが話しかけてくれる。

「いつもコウヘイから自慢の妹の話を聞いていた」

あいつ、飲むとまるで恋人のことのようにカナコちゃんのことを自慢していたんだよ、と。

おにいちゃん。。。

「だから、はじめは好奇心だった」

仕事のできるおにいちゃんがそこまで大事にしている妹がどんな女の子なのか。

まじめで女性に興味がないんじゃないのか?と思うくらい、誘われても断るおにいちゃんが、唯一照れながら話をする女性の話が、いつも私だったらしく。