お兄ちゃんの友達[完]

「もう一つの方は良かったですか?あちらも人気ですが」

持ってきた間取り図を取り出して河合さんに手渡す担当者。

河合さんはそれを受けとり、間取りを確認してから、うんと頷いた。

「どう思う?」

突然話しかけられ、急に決めたことに驚いていた私はびっくりしてしまった。

アパート近辺は昔からよく通っていたので周りにどんなお店があるか程度なら知っているけど、実際には住んだことないし。

でも、私の家と駅までの間くらいにあって、いつも通っているので慣れているといえば慣れている。

公園とかお店とか、環境はいいんじゃないかな?

駅近くってことは、おにいちゃんと同じで電車で通勤だろうし。

「いいとは思いますけど、そんな即決して大丈夫ですか?」