お兄ちゃんの友達[完]

「お待たせしました!お車の用意ができましたので、こちらへどうぞ」

お店の正面に、お店のロゴの入った軽四が止まっていた。

担当者に促され、私と河合さんは後部座席に乗り込む。

「ここから近いですけど、周辺のお店なども簡単に紹介させてくださいね」

少し遠回りですけど、と担当者は商店街近くを通ってくれる。

駅から歩いてすぐにある商店街。

私がバイトしているケーキ屋さんもその中にある。

「ここのケーキが美味しいんですよ~」

なんて担当者が言うので、自分がほめられているようでなんだかくすぐったい。

河合さんがここなの?と耳元でお店を指して言っているので、私は黙ってうなずく。

「この角を曲がったら、最初のアパートになります」