お兄ちゃんの友達[完]

男の人に告白されたことはあるんだけど

こんな風に何度も、それもさらっとされたことは無い。

ごく普通に好きだとか言っちゃう河合さん。

それも、おにいちゃんの前で!

私は自分の気持ちもよくわからないのにおにいちゃんは否定も反対もしない。

河合さんは河合さんのペースで私に寄ってくるし。

「トースト焼けたけど、コウスケは2枚?」

一度に2枚しか焼けないトースター。

焼けた分を一枚ずつ私と河合さんのお皿に乗せたおにいちゃん。

追加で2枚トースターに入れた。

「カナコは1枚だろ?」

コーヒーを入れて、椅子に座る。

私の目の前では、相変わらず何もなかったかのようにトーストを食べている河合さん。

私にはよくわからないんだけど。

「コウスケ、カナコをからかわないでくれよ」

コーヒーを飲みながらおにいちゃんがつぶやく。