お兄ちゃんの友達[完]

ひとりであれこれ想像していたら、顔がどんどん熱くなってきた。

恥ずかしくて、両手で頬を隠しながら、キッチンへ戻った。

「カナコちゃん、かわいい~」

コーヒーを飲みながら、河合さんが笑っている。

私の心臓は、どきどきがとまらない。

「か、河合さん!トースト何枚食べますか?」

恥ずかしくて振り向けないから、背中を向けたまま問いかける。

ふっと気がつくと、すぐ後ろに河合さん。

「2枚もらおうかな?俺がやるよ」

私の手元から食パンを取ると、トースターに2枚セットした。

「カナコちゃんは何枚食べる?」

「わ、私は1枚で・・・」

キッチンと河合さんに挟まれる形で、身動きが取れない私。

し、心臓の音が聞こえそう。

恥ずかしくて、動けなくて、俯くしかできない。

「おい、朝からなにしてんの?」