校舎裏にいくと1人の女子。

誰だっけか?デッサンやった時にペアになった子。

名前なんて覚えてない。

「何?こんな所に呼び出して。」

「あの…天才少年ピアニストだった赤城君だよね!」

「…何なの?」

「昔からあなたのファンで…あの…ずっと好きだったんです!」

「私の事彼女に…してくれませんか…?」

上目遣いで聞いてくるのに結構腹立つ。

「悪いけどさ。俺は心に決めた相手いるの。彼女はそいつ以外無理だから。」

「…天宮さんですか?」

「なんで?」

「天宮さんと仲いいじゃないですか。天宮さんより私の方が可愛いです!なんで私じゃダメなんですか!私はずっとあなたの事が好きだったんですよ!」

「仲いいも悪いも勝手だろ?なんでそこまで言われなきゃならないの?」

「…っじゃあ!環さんなんですね!?あの子なんて可愛くないじゃないですか!」

「可愛さとかどうでもいい。あと、アンタが欲しいのは俺っていう人じゃなくて天才ピアニストっていう俺だけなんだよね?俺は物じゃないの。」

「何でなんですか!?私はあなたに好かれたくて…」

その娘は突然泣き出した。

これだから女子は嫌いなんだ。

「天才ピアニストは昔の話。俺は二人でピアノとヴァイオリンをやるって約束してるの。」