〜直也side〜

「ちょ?!菜穂ちゃん?!大丈夫か?!」

突然聞こえた一樹の声で俺はピアノを弾く手を止めた。

するとそこにはふらふらしている菜穂。

今にも倒れそうだった。というか倒れた。

「菜穂?!大丈夫か?!」

ダメだ。聞こえて居ない。

「き、救急車!」

これはきっと記憶が少し戻った反動だ。

病院にいっても意味がない。

「環。大丈夫だから!」

菜穂は…少し記憶を取り戻したんだ。

「環。記憶が少し戻った反動なんだ。病院いっても意味がないんだ。」

「って事は…」

「少し戻ったのかもしれない。とりあえずは暫く寝かしておいてあげて。」

「菜穂ちゃん突然倒れたからびっくりしたよ…」

「一樹。環を送っていってあげてくれないか?もう暗くなるから。」

「了解。環ちゃん?一緒に帰ろうか。菜穂ちゃんは直也が何とかしてくれる。あんなふうにみえて内面以外と優しいからさ?」

「お願いする。」